お裁縫を始めようと思ったとき、まず最初に必要になるのが「布を切るための道具」。
その中でも絶対に揃えておきたいのが、裁ちばさみです。
「家にある普通のハサミじゃダメなの?」と思う方も多いかもしれません。
実は、裁ちばさみと普通のハサミでは切れ味も作業効率もまったく違うんです。
布をまっすぐ、キレイにカットできると、その後の作業もスムーズに進み、
仕上がりにも差が出ます。
反対に、切れにくいハサミでムリに切ると布端がガタガタになったり、
型紙通りに切れず縫い合わせた時に長さが合わない…なんてことも。
このページでは、
- 裁ちばさみってどんな道具?
- 初心者さんにおすすめの選び方
- 長く愛用できる人気モデル
…をわかりやすくご紹介します。
裁ちばさみとは?基本の解説
裁ちばさみとは、布専用に設計されたハサミ=裁ちばさみのことです。
布は紙よりも繊維がやわらかく、切りにくい素材なため裁縫では裁ちばさみの使用がおすすめです。
普通のハサミとの違いは?
比較ポイント | 普通のハサミ | 裁ちばさみ |
切る対象 | 紙や薄いビニールなど | 主に布(厚手OK) |
刃の形 | まっすぐ・短め | 長くて湾曲(スライドしやすい) |
切れ味の持続 | 落ちやすい | 長持ち(専用設計) |
価格帯 | 数百円~ | 1,000円〜10,000円前後 |
布をカットするときに刃が引っかかると、切り口がガタガタに…。
それを防ぐために、裁ちばさみは刃の形・長さ・素材すべてが工夫されています。
裁ちばさみの選び方|失敗しないための3つのポイント
「どれを選べばいいの?」と迷ってしまう裁ちばさみ。
見た目が似ていても、実は切れ味や使い心地に大きな差があるんです。
ここでは、初めて裁ちばさみを買う方でも安心して選べるように、注目すべき3つのポイントをご紹介します。
① 刃の素材を選ぶ
切れ味とお手入れのしやすさに注目
裁ちばさみは刃の素材によって使い心地が大きく変わります。
主に使われている素材は次の3つ。切れ味」「重さ」「扱いやすさ」に差が出ます。
- ステンレス製|初心者さんに人気の扱いやすさ
・メリット:錆びにくい、軽い、お手入れが簡単
・デメリット:鋼に比べると若干切れ味が劣ることも - 鋼(はがね)製|プロ仕様の切れ味重視派に
・メリット:抜群の切れ味!布をスパッと気持ちよく切れる
・デメリット:重い、錆びやすい、定期的なお手入れが必要 - ハイブリッドタイプ|ステンレス+鋼の良いとこ取り
・メリット:錆びにくく、切れ味も良いバランス型
・デメリット:やや高価なものが多い
② サイズを選ぶ
自分の手に合った長さを
裁ちばさみは、一般的に20〜24cm前後のサイズが主流です。
- 21cm以下の小ぶりサイズ
- 23〜24cmの標準サイズ
実店舗で試せるなら、実際に「握ったときのフィット感」を確認すると◎
③ 持ち手の形状と素材をチェック
握りやすさで作業が変わる
- 金属製の持ち手 → 安定感があり長時間でも疲れにくい
- ソフトグリップ・樹脂製 → 手に優しく、軽い使い心地
私の裁ちばさみ

私が長年愛用している裁ちばさみは「増太郎」。
現在は生産が終了しております。
長時間使うと重みで少々手が疲れますが、切れ味抜群の頼れる私の相棒です。
おすすめ裁ちばさみ
ここからは実際におすすめしたい裁ちばさみをご紹介していきます。
① クロバー 布切はさみ 24cm
- 価格帯:3,000円前後
- 特徴:グッドデザイン賞受賞のスタイリッシュなデザイン
- ポイント:扱いやすいグリップと軽さで長時間の使用にも疲れ知らず
② 貝印 7250ラシャ鋏 250mm
- 価格帯:5,500円〜6,000円台
- 特徴:長時間の使用にも疲れにくいグリップと間違いない切れあじ。
- ポイント:比較的手頃な値段でありながら、長く使える安心の品質。
③ 庄三郎 裁ちばさみ 240mm
- 価格帯:10,000円~12,000円
- 特徴:手に馴染む重厚感と切れ味。和裁・洋裁どちらにも◎
- ポイント:見た目も美しい。裁ちばさみの決定版
裁ちばさみを選ぶときの「よくある質問(Q&A)」
- 左利きだけど、右利き用の裁ちばさみを使っても大丈夫?
-
切れることは切れますが、刃の構造上「自分から刃が見えない」ので、まっすぐ切るのが難しくなります。できれば左利き用を選ぶのがベスト。
- はさみが切れにくくなったらどうすればいい?
-
無理に使わず、研ぎに出す or 新しく買い替えましょう。裁ちばさみは「切れ味が命」なので、早めのメンテナンスが◎。最近はネットで研ぎサービスも頼めますよ。
- どれくらいの長さのハサミが使いやすい?
-
24cm前後(10インチ)が一般的で使いやすいとされています。手が小さい方や細かい作業が多い方は、22cm〜23cmでもOK。
- 子ども用の小さな裁ちばさみってあるの?
-
子ども用として売られている「クラフトはさみ」や「子ども向け手芸はさみ」はありますが、刃先が丸くなっていたり、布には向かないことも。大人が一緒に使う前提で、小さめの裁ちばさみ(20cm前後)を選ぶと◎。
裁ちばさみの正しい使い方・長持ちさせるコツ
- 布以外には使わない!
→ 紙やビニールを切ると刃がすぐに傷みます。使い分けを徹底しましょう。 - 刃を閉じるときにカチンと音を立てない
→ 金属同士の衝撃が少しずつ刃こぼれを起こす原因になることも。静かに閉じるのが◎。 - 使い終わったら刃先を乾いた布でふく
→ 小さな糸くずや手の脂を拭き取って、サビ予防になります。 - ときどき刃元にミシンオイルや刃物用オイルをひと塗り
→ 動きがスムーズになり、サビ止めにも効果的。 - 保管はケースや布で包んで。湿気を避けて収納
→ サビ・ホコリ・落下などから守るためにも、しっかりカバーしてあげましょう。 - 絶対に落とさない!
→ 落とすと刃がずれてしまい、元通りの切れ味に戻らないことも…。
自分に合った裁ちばさみで、裁縫がもっと楽しくなる
道具を大切に扱う気持ちは、仕上がりの美しさにもつながります。
よく切れるはさみがそばにあるだけで、裁縫の楽しさがグッと広がりますよ。
お気に入りを見つけて、裁縫をおもいっきり楽しんでくださいね。
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